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急性上咽頭炎
鼻の奥でのどの上(鼻とのどの間、上あごの裏側)を上咽頭といいます。風邪の引き始めは、ここの痛みや違和感で始まることが多いです。外部から侵入したウイルスが最初に、この場所に着きやすいために、ここから炎症が始まるためです。これを、急性上咽頭炎といいます。耳鼻科で診てもらって、鼻からの吸入(ネブライザー)や、綿棒でここに薬をつけるなどをしてもらいましょう。
急性化膿性扁桃炎
のどの左右にある口蓋扁桃(こうがいへんとう、「へんとうせん」のこと)が、細菌感染により炎症を起こした状態です。のどの痛み、発熱、全身倦怠感(からだのだるさ)を起こします。発熱は40度まで達することがあります。のどの痛みは、物を飲み込むときに強く、耳の奥まで痛みが響くこともあります。くびのリンパ節まで腫れて痛くなります。口蓋扁桃を観察すると、赤く腫れています。扁桃のクボミ(陰窩=いんか=といいます)に白いもの(膿栓=のうせん=といいます)がたまっていることがあります。耳鼻科で見てもらって、検査や治療を受けましょう。
扁桃周囲炎および扁桃周囲膿瘍(へんとうしゅういのうよう)
急性化膿性扁桃炎がひどくなって、扁桃の周りの組織まで炎症を起こして腫れた状態が扁桃周囲炎です。痛みや熱などの症状もひどくなります。さらにひどくなって、扁桃の周りに化膿した膿がたまると、扁桃周囲膿瘍といいます。口蓋垂(こうがいすい、のどちんこのこと)が片方に押されて、のどが狭くなります。両方の扁桃周囲に膿がたまると、もっと狭くなって、口もあけられなくなってきます。膿がたまったら、耳鼻科で見てもらって針をさしたり切開をして膿を出す必要があります。食事ができなかったり、呼吸が苦しいようなら、入院治療が必要です。
習慣性扁桃炎
1年に4回以上、急性扁桃炎を繰り返す場合、習慣性扁桃炎といいます。症状が軽い場合は、その都度、抗生物質などで治療します。症状がひどい場合や何度も繰り返す場合は、手術をして、口蓋扁桃をとったほうがいいでしょう(口蓋扁桃摘出術といいます)。耳鼻科を受診して相談してください。
病巣性扁桃炎(扁桃病巣感染症)
扁桃炎が原因で、のどと離れた場所に炎症を起こす病気があります。これを病巣性扁桃炎(びょうそうせいへんとうえん)といいます。掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう、手のひらと足の裏に膿をもった小さい水ぶくれやかさぶたがたくさんできる病気)、胸肋鎖骨過形成症(きょうろくさこつかけいせいしょう、胸の骨が痛くなって腫れてくる病気)、腎炎などがこの代表的な病気です。つまり、扁桃炎が原因で、てのひらに膿をもった小さい袋ができて、扁桃炎の治療をすると治る、ということがあります。最終的には、扁桃を取る手術(口蓋扁桃摘出術)をしたほうがいい場合があります。耳鼻科(または皮膚科、整形外科、内科など)で相談しましょう。
慢性咽喉頭炎
咽頭および喉頭の慢性炎症です。原因としては、かぜ(急性咽喉頭炎)を繰り返したり、長引いたとき、タバコの煙などの慢性的刺激、逆流性食道炎による胃酸の刺激、副鼻腔炎による後鼻漏、鼻づまりのための口呼吸によるのどの乾燥などが考えられます。のどの不快感、咳、声嗄れなどの症状があります。耳鼻科で見てもらって、吸入治療などを受けましょう。
咽喉頭異常感症(いんこうとういじょうかんしょう)
咽喉頭(のどのあたり)に異常感(へんなかんじ)があるが、通常の耳鼻咽喉科の検査では、その症状に見合うような異常所見が無い状態を言います。異常感には、何か引っかかった感じ、締め付けられる感じ、腫れている感じ、つばを飲んだときの違和感、腫れている感じ、ひりひりする感じ、食べ物が通りにくい感じなど、いろいろな訴えがあります。耳鼻科で、本当に原因が無いか調べてもらいましょう。原因がわからない場合は、対症療法(症状をとる治療)が主となりますが、時々再検査するための経過観察が必要です。
咽頭異物症
のどに、魚の骨などの異物が刺さったり、引っかかったりして取れなくなった状態です。のどの痛み、引っかかった感じなどがあります。耳鼻科で調べてもらって、異物があったら取ってもらいましょう。実際には異物は無くて、食物などによりのどが傷ついただけのことがあります。
溶連菌感染による咽頭炎
A群ベータ溶血性連鎖球菌(溶連菌、ようれんきん、ともいいます)によって起こる咽頭炎です。咳やくしゃみなどによって人から人に感染します。潜伏期間(感染してから症状が出るまでの期間)は、1〜3日です。約38度の発熱、全身倦怠感、のど痛み、嚥下痛(飲み込むときの痛み)、くびのリンパ節の腫れなどが起こります。子供の場合、全身に発疹の出る猩紅熱(しょうこうねつ)になることがあります。まれに合併症として腎炎になることがあります。耳鼻科(または小児科)で検査と治療を受けましょう。
インフルエンザ
インフルエンザウイルスによって起こる急性の炎症です。咳やくしゃみで飛び散った、空気中のウイルスを含む粒子によって、人から人へ感染します。潜伏期間は1〜3日です。約38度の発熱、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛、関節痛、はなみず、くしゃみ、はなつまり、のどの痛み、咳などが起こります。発症早期には、抗ウイルス剤が有効です。早めに耳鼻科(または内科や小児科)で診てもらいましょう。
比較的まれな病気
伝染性単核球症(でんせんせいたんかくきゅうしょう)
急性化膿性扁桃炎とよく似た症状ですが、細菌ではなく、ウイルスによる病気です。EBウイルス(エプシュタイン・バー ウイルス)によって起こります。直接、唾液が触れるような機会があると、人から人へうつります。約38度の発熱と咽頭痛があります。口蓋扁桃(へんとうせん)が赤く腫れて、表面に白い膜のようなものができます。くびのリンパ節が多数腫れて痛くなります。血液検査をすると、白血球のうち特殊なリンパ球が増えていて、肝臓の機能が悪くなっていることが多いです。この病気に対しては、ペニシリン系の抗生物質を使ってはいけないといわれています。耳鼻科(または内科や小児科)で調べてもらいましょう。
マイコプラズマ感染症
細菌とウイルスの中間ぐらいの大きさの、マイコプラズマ・ニューモニアによって起こります。咳やくしゃみによってうつります。しばらく続く頑固な咳が特徴です。ほかには、発熱、咽頭痛、痰、鼻水、くしゃみ、鼻つまり、頭痛、胸部痛などを伴います。肺炎を伴う場合もあります。耳鼻科または内科で見てもらいましょう。
咽頭結膜熱(プール熱、アデノウイルス感染症)
アデノウイルスによって起こります。鼻水やくしゃみによってうつります。特に夏に、プールで感染することが多いため、プール熱といわれます。発熱で始まり、頭痛、全身倦怠感が起こり、咽頭炎によるのどの痛みや、結膜炎による目の痛み、充血、涙などを伴います。くびのリンパ節の腫れや痛みが出ることがあります。耳鼻科(または小児科、内科)で診てもらってください。
咽頭の腫瘍
腫瘍のできる場所によって、上咽頭腫瘍、中咽頭腫瘍、下咽頭腫瘍に分けられます。この病気が疑われた場合は、ファイバースコープによる検査が必要です。さらに検査や治療が必要な場合は、総合病院の耳鼻科に紹介されます。
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