口腔の病気

比較的多い病気

アフタ性口内炎

アフタ(円形の浅い潰瘍ができて白くなり、周囲が赤くなった状態)が、口腔の粘膜にできて、痛みがあります。ひどくなると潰瘍になります。歯による刺激や、ビタミン欠乏、風邪などのウイルス疾患、胃炎・胃潰瘍などの消化器疾患に伴っておきることが多いです。局所の軟膏塗布や内服によって治療されることが多いです。耳鼻科(または口腔外科)で見てもらいましょう

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舌痛症

外見上は、アフタや潰瘍などは無いのに、舌がピリピリと痛んだり、物がしみたりする状態です。歯による刺激や、ビタミン欠乏、風邪などのウイルス疾患、消化器疾患に伴っておきることがありますが、原因がはっきりしないことが多いです。喫煙習慣や、精神神経疾患を伴っていることがあります。局所の軟膏や内服が処方されることがありますが、治りづらいこともあります。耳鼻科(または口腔外科)で診察を受けましょう。

口腔乾燥症

唾液分泌が低下して、口の中が乾く状態です。いろいろな原因が考えられます。糖尿病の初期には、口が渇いての中に何度も水を飲みたくなることがあります。甲状腺機能高進症(バセドウ病)や腎疾患、人工透析など口が渇きやすい病気や状態があります。風邪薬、鼻炎の薬、高血圧や、胃潰瘍や、精神安定剤や、利尿薬などの薬に伴って口が乾きやすくなります。放射線治療後や、シェーグレン症候群にともなって、唾液腺が萎縮して唾液が出なくなることがあります。不安神経症やうつ病などの精神的な原因でも乾きやすくなることがあります。耳鼻科で見てもらいましょう。必要に応じて内科などを紹介される場合もあります。

味覚障害

味がわからなくなるという訴えのほかに、いつも口の中が苦いなどと感じることがあります。口内炎や舌の傷、口腔内乾燥症や、体内のビタミンや鉄や亜鉛などの不足や、内服薬による副作用や、脳腫瘍や脳梗塞、糖尿病・肝疾患・腎疾患などの全身疾患や、中耳炎や顔面神経麻痺などいろいろな原因で起こることがあります。耳鼻科で調べてもらいましょう。味覚検査や血液検査が必要なことがあります。

急性化膿性耳下腺炎

外耳の下の下顎骨(あごの骨)の裏側に、耳下腺という唾液腺があります。ここから口の頬の内側の粘膜まで唾液を分泌する管が通じています。口から耳下腺に細菌が入って化膿して炎症を起こすことがあります。耳の舌の腫れと痛み、熱、頬の内側に膿が出てくるなどの症状が見られます。「おたふくかぜ」と違って、たいてい片方(右か左)の耳下腺だけに炎症が起こります。また、炎症を繰り返すことがあります。耳鼻科で見てもらいましょう

ムンプス(おたふくかぜ、流行性耳下腺炎)

ムンプスウイルスによって起こる耳下腺の炎症です。左右両方の耳下腺が炎症を起こすことが多いです。顎下腺や舌下腺などほかの唾液腺も炎症を起こすことがあります。唾液を介してほかの人に移ることがあります。まれに、髄膜炎、難聴、睾丸炎、卵巣炎、すい臓炎などをおこすことがあります。小児科や耳鼻科で見てもらいましょう。ワクチンによる予防が大切です。

下口唇のう胞

下口唇(下口唇、したくちびる)の内側の粘膜を指や歯で触ると、直径2mmていどの粒々がふれるのがわかります。これは小唾液腺といって、1個1個が唾液腺です。これを間違ってかんだり、ぶつけてつぶしたりすると、そのあとに直径数mmから2cmの、のう胞(水のたまった袋)ができることがあります。治らない場合は、耳鼻科で見てもらいましょう。局所麻酔下に摘出手術をすることがあります。

唾石症

口腔内に分泌される唾液の管の途中に石ができて詰まることがあります。そのほとんどは、顎下線の管の出口付近にできます。舌の裏側にスジ(舌小帯)の両側どちらかの粘膜の下に石の様な固いものを触れて、そちら側のあごの下にある顎下線が腫れたり痛くなります。耳鼻科で調べて、必要なら摘出手術を受けましょう。

顎関節症

外耳道の前方1から2センチのところに顎関節があります。口をあけたり閉じたりするときのあごの骨の運動の支点になっているところです。ここが、噛みあわせが悪いこと、あごの打撲、間違ったものの噛み方(口の右か左だけを使って食物をかむ)、歯ぎしりなどをしているとおきやすいです。軽い場合は保存的に薬で様子を見ます。中程度以上は歯科口腔外科でかみ合わせの調節をする必要があります。

口腔内真菌症(こうくうないしんきんしょう)

口の粘膜に真菌(しんきん、カビのこと)が生えることがあります。口の中に白色の膜がところどころにできて、異物感が生じます。時には、黒や茶色のこともあります。大きな病気をして体力が落ちていたり、抗生物質やステロイド剤を長く使っているとなることがあります。耳鼻科で見てもらいましょう。多く場合で、うがいや口の表面に塗る薬が有効です。

口唇ヘルペス、ヘルペス性口内炎          →重症化した方の例

単純ヘルペスウイルスによって、口唇、頬粘膜、舌などに直径1〜数ミリの水疱が発生し、その後かさぶたなって、そして治っていきます。かぜを引いたり、体調不良のときに出ることが多いです。まれに重症化して、のどまで広がり、38度以上の発熱、咽頭痛、嚥下障害などが起こることがあります。耳鼻科(または皮膚科など)で見てもらいましょう。

比較的まれな病気

耳下腺腫瘍

まれに、耳下腺の中に腫瘍ができることがあります。ほとんどは良性の多形腺腫といわれるものです。まれには悪性腫瘍のこともあります。耳鼻科で調べてもらいましょう。

がま腫

舌の裏側の口腔底(口の底の壁)には舌下腺という唾液腺があります。この管の出口が(外傷など)何らかの原因で詰まると、唾液が外に出てこられなくなって、粘膜の下に袋を作って腫れることがあります。舌の裏側に青く見える丸い袋がかえるのように見えるのでがま腫といいます。口の外の、あごの下にできることもあります。小さいうちは針をさして中の粘液を抜くことがありますが、ある程度の大きさになると、手術が必要になることがあります。

口唇裂傷

顔面のケガに伴って、唇も切れることがあります。粘膜表面のキズに伴っている場合は、そのまま治るのを待ちますが、粘膜の下まで切れている場合は、傷口を洗った後で縫合する必要があります。歯の脱臼や骨折を伴っている場合は、歯科口腔外科でも見てもらいましょう。

顎関節脱臼

大きな声で笑ったり、大あくびをした後であごの骨が外れることがあります。口が開いたまま元に戻らなくなります。耳鼻科などを受診してみてもらいましょう。たいていは、その場であごを引き下げるようにしてから戻すことで整復できます。どうしても治らない場合は、総合病院で麻酔下に整復することがあります。

口腔底蜂窩織炎(こうくうていほうかしきえん)

舌下腺や下あごの虫歯から細菌が入って、舌の裏の口の底の部分が腫れて痛くなり、ひどいと口が開かなくなったり呼吸困難になることがあります。入院の上切開排膿が必要になることがあり、総合病院へ紹介されることがあります。

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