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急性化膿性扁桃炎

急性化膿性扁桃炎とは

急性化膿性扁桃炎とは、ノドの奥に左右にある口蓋扁桃(へんとうせん)が、細菌の感染により急性の炎症を起こした状態のことです。
ノドを見ると、口蓋扁桃が赤く腫れています。扁桃のくぼみや、扁桃全体に白いもの(膿栓)が見られることがあります。

急性化膿性扁桃炎

急性化膿性扁桃炎の症状と原因

症状

ノドの痛み、発熱、全身倦怠(体のだるさ)をおこします。発熱は40℃に達することもあります。ノドの痛みは特にものを飲み込むときに激しく、耳まで痛くなることがあります。しばしば、首のリンパ節も腫れて痛くなります。

原因

急性化膿性扁桃炎の原因は溶連菌(A群ベータ溶血性連鎖球菌)をはじめとする細菌です。ノドを綿棒で拭って溶連菌を調べる方法もあり、10分程度で結果がわかります。
また、細菌ではなくて、ウイルス感染(EBウイルスや、アデノウイルスなど)によっておこる扁桃炎もあります。EBウイルスによる扁桃炎では、肝臓の働きが悪くなることがあり、血液検査で肝臓機能を調べることがあります。
ストレスや疲労が感染のきっかけとなるケースがよくあります。

急性化膿性扁桃炎の治療

抗生物質(ペニシリン系統が主)、消炎鎮痛剤(痛み止め)、うがいなどです。ほとんどは1週間で症状がとれます。
扁桃の炎症がひどくて周りの組織にウミ(膿)がたまることがあります。これを扁桃周囲膿瘍といいます。

腫れがひどい場合は入院の上、注射針を刺したり切開したりして、膿を出してやることが必要になる場合があります。(治療についてはしっかり相談の上決定しますのでご安心ください。)更に、合併症として、溶連菌による感染症の場合は、あとで腎炎などの合併症を起すことがあります。その予防のため抗生物質を7~10日間飲む必要があります。

急性化膿性扁桃炎の注意点

早く良くなるよう水分を取り安静にするよう努めましょう。また、溶連菌感染の場合は、家庭内でも感染するため、ご家族を含めてうがいの徹底、共通の食器やタオルを使用しないなど工夫が必要です。特に兄弟、姉妹がいらっしゃる場合はうつしあうことがありますので、一緒に耳鼻科を受診することを検討してもいいでしょう。

また、1年の間に数回扁桃炎の症状を繰り返すようであれば、習慣性扁桃炎である可能性があります。毎回扁桃周囲膿瘍となり症状がひどい状態を繰り返すようであれば、扁桃摘出術をおすすめする場合もあります。

監修:こだま耳鼻科 院長 児玉広幸(日本耳鼻咽喉科学会専門医)

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