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急性副鼻腔炎

急性副鼻腔炎とは

急性副鼻腔炎とは、副鼻腔の急性の炎症です。
副鼻腔とは鼻付近にある骨の空洞部分のことで、これらは鼻とつながっています。

急性副鼻腔炎

急性副鼻腔炎の原因と症状

原因

ほとんどの場合は副鼻腔に細菌が感染することによって起こります。細菌が侵入する経路には、鼻腔から入る場合(風邪を引いた後など)と、上あごの歯から入る場合(虫歯から)とがあります。まれに、外傷や手術などをきっかけに細菌が入ることがあります。

病原菌

原因菌として最も多いのは肺炎球菌です。
ついでインフルエンザ菌、黄色ブドウ球菌、モラクセラ・カタラーリスなどがあります。

症状

軽症の場合は、顔面や頭の重たい感じがあります。粘液性や膿性の鼻汁がでたり、膿性の痰がのどに下がる(後鼻漏といいます)ことがあります。ひどくなると、顔面や額の痛みが起きたり、発熱したり、顔面皮膚が赤くなったり腫れたりします。お子様の場合は副鼻腔炎を繰り返すことで中耳炎を悪化させていることもあるため注意が必要です。

急性副鼻腔炎の検査と治療

検査

視診で鼻の穴から鼻腔粘膜の発赤腫脹や、膿性鼻汁があるか観察します。レントゲン検査で副鼻腔に炎症の所見があるか調べます。
鼻汁を綿棒でこすって細菌検査をします。原因菌がわかれば、これに対する抗生物質の有効性を調べます。

治療

  1. 抗生物質を投与します。
  2. 炎症を抑える薬や痛み止めなどを必要により処方します。
  3. 鼻処置やネブライザーで局所の炎症を抑えます。

副鼻腔炎は症状が治まった場合でも、細菌が残っており再発することがよくあります。
自覚症状がなくなってもお薬は飲み切るようにしてください。ネブライザー治療に週1~3回程度通っていただくことも有効です。

急性副鼻腔炎の予後

多くの場合は、1~2週間程度の内服やネブライザーなどの治療で治ります。虫歯が原因のときは歯科治療が必要になります。
合併症として、まれに眼や頭にも炎症が及ぶ場合があります。
急性副鼻腔炎をしっかり治療せずに数か月経過すると、慢性副鼻腔炎になる場合があります。
慢性化すると治療が数か月かかる場合もあり、症状がひどい場合には手術が必要になることもあります。
急性副鼻腔炎の間にしっかりと治療を完了させましょう。

監修:こだま耳鼻科 院長 児玉広幸(日本耳鼻咽喉科学会専門医)

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